千葉歴史学会

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2017-08

千葉県文書館収蔵公文書の不適切な大量廃棄・移動の停止を求める要望書(千葉歴史学会活動報告)

千葉県知事 鈴木 栄治 様

千葉県文書館収蔵公文書の不適切な大量廃棄・移動の停止を求める要望書

千葉県文書館(以下「文書館」といいます)では、2015年度中に収蔵公文書13,039冊が減少しました。このうち、10,177冊が廃棄され、2,862冊が貴県政 策法務課の書庫に移されています。貴県の公文書の廃棄は、県の歴史・文化を探求しよう とする県民や歴史研究者の活動を著しく阻害する行為であることはもちろん、県政を検証 するための重要な手がかりである公文書を県民から奪ったことにもなります。移動された 公文書についても、簡便な手続きで文書館にて閲覧可能であったものが、情報開示請求の 対象となり、利用の壁が従来と比較して大幅に高くなりました。 この件について、日本アーカイブズ学会から貴県への質問に対する回答、情報開示請求 によって交付された廃棄・移動公文書リスト及び文書館が毎年作成している『事業概要』 等から以下の経緯が判明しました。 貴県では、2011年4月の「公文書等の管理に関する法律」(以下、「公文書管理法」 という)の施行を受けて、「千葉県行政文書管理規則」及び「千葉県行政文書管理規則の運 用について」が改正され、2015年度から運用が始まりました。この規則改正で、「長期」(実質、永年保存)とされていた公文書の保存期限の区分が廃止され、上限が30年保 存とされました。これにより、従来文書館で一括して保存されてきた「長期」保存文書の うち完結後30年を経過しているものは、すべて上記の規則改正と併せて制定された「歴史公文書の判断に関する要綱」に基づき遡及して評価・選別の対象とされました。また、 有期限保存文書であっても歴史的に重要と判断され、文書館に移管されてきたものも同様に対象とされています。その結果、1万点以上にものぼる文書館収蔵公文書が廃棄と判定 され、現在の職務遂行に必要だとの判断から2,862冊が政策法務課の書庫に移動され ました。この間、規則改正にともなう形式的なパブリック・コメントが行われたのみで県民・利用者に対する説明は十分に行われませんでした。『事業概要』で数値の推移のみ開示 されているものの、県民・利用者へは廃棄・移動された公文書の内容に関する情報さえ提供されていません。 以上のように大量の公文書が廃棄・移動され、2015年3月までは文書館でだれでも 閲覧請求することが可能であったものが、現在はできなくなりました。何らかの理由で収蔵公文書を再び評価・選別する場合であっても、実施に当たっては慎重な議論・手続や県民への丁寧な説明が必須です。それが行われなかったばかりか、恩給裁定原義や遺族台帳等の第二次世界大戦に関連する公文書や県にとって一大行事であった1973年の国民体育大会に関する簿冊等の明らかに歴史的に重要な公文書がすでに廃棄されています。また、政策法務課の書庫に移動された明治期の人事記録等が、現在の業務において日常的に必要なものなのか、はなはだ疑問です。 前掲『事業概要』によれば、2015年度までに再評価・選別された文書館収蔵公文書は約25パーセントであり、残りの約75パーセントは現在も判定作業が進められています。さらなる公文書の不適切な廃棄・移動が行われる可能性が、極めて高いのが現状です。わたしたちアーカイブズ学、考古学、歴史学並びに千葉県の歴史研究に携わる者は、 文書館や関係当局が、公文書の管理・利用に対する認識を大きく改め、現在進めている不適切な評価・選別による廃棄・移動を停止し、県の公文書管理のあり方を見直すことを強 く要望します。

2017年2月21日
アーカイブズ学・考古学・歴史学関係14団体 日本歴史学協会 関東近世史研究会 首都圏形成史研究会 千葉歴史学会 千葉歴史・ 自然資料救済ネットワーク 地方史研究協議会 日本アーカイブズ学会 日本史研究会 日本考古学協会 東アジア近代史学会 明治維新史学会 歴史科学協議会 歴史学研究会 歴史教育者協議会
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本会は主として千葉圏域で歴史学の研究、歴史教育の現場や文化財の保存活動等にかかわる人々を中心に、1982年に設立されました。以来30年、会誌『千葉史学』の刊行、研究書の刊行、様々な部会活動、大会やシンポジウムの開催を中心に歴史研究の発展、その成果の普及、遺跡保存や史料保存など文化財保護の活動に努めて参りました。

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