第41回千葉歴史学会大会のご案内
日 時 : 2023年5月21日(日) 9:30 受付開始
会 場 : 千葉市生涯学習センター (千葉市中央区弁天3丁目7-7)
総 会 : 9:40 ~
研究報告: 10:30 ~
※例年と研究報告の部会順が異なりますので、ご注意ください。
①《近世史部会》
「文化・文政期の生実藩領における領主と村の関係性‐「仁政」のリアルを考えるために‐」
岩本 和恵氏(千葉県立千葉高等学校・中学校)
②《近現代史部会》
「夷隅事件‐進展過程の考察‐」
佐藤 海斗氏(大正大学大学院)
③《歴史教育》
「中世荘園はどうできたか?‐寄進地系荘園を見直そう‐」
渋澤 拓真氏(東京都立世田谷総合高等学校)
【昼食・休憩】 12:30~13:30
研究報告: 13:30 ~ 14:45
④《古代史部会》
「「水落地蔵」納入「諸国勧進交名」から見た古代・中世の房総」
川尻 秋生氏(早稲田大学教授)
⑤《中世史部会》
「小弓公方足利義明の関宿城攻めに関する一考察」
遠山 成一氏(千葉市立郷土博物館)
記念講演: 15:00~16:30
〔講演者〕横山百合子氏(国立歴史民俗博物館名誉教授)
〔演 題〕「近世史料を読む視点‐江戸新吉原遊郭研究を素材として‐」
◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆
《近世史部会》
文化・文政期の生実藩領における領主と村の関係性 ‐「仁政」のリアルを考えるために‐
岩本 和恵
譜代大名森川家により治められた生実藩領(一万石)の大部分は、現在の千葉市南部の地域に広がっている。千葉市域を生活圏とする高校生と接するなかで、地域の歴史資料にふれ、具体的に踏み込んで考える機会は少なかった、という声に出会ってきた。本報告は、高校の歴史教育における実践をも見据えて構成した。
生実藩領の村々について、これまで入会権をめぐる争論が注目されてきたが、当該期の社会的・経済的背景や、領主権力と関連づけて検討した研究は少ない。これは、史料の残存状況とも関係していると思われる。
近世後期の領主・領民関係については、治者-被治者の二項対立構図ではなく、両者をとらえる視点として「仁政」のあり方を巡り、議論が蓄積されてきた。本報告では、文化・文政期における争論の内済をめぐる領主と村の動向に注目し、両者の関係性を具体的に検討する。
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《近現代史部会》
夷隅事件 ‐進展過程の考察‐
佐藤 海斗
自由民権期の千葉県において、有力な民権結社の1つであった夷隅郡の以文会は、明治17年初冬、同年9月に発生した加波山事件の首謀者富松正安の逮捕に伴い、同会の会幹らに爆裂薬を用いて圧制政府の転覆を目論む武装蜂起計画の嫌疑がかけられる。官憲は直ちに捜査を開始し、井上幹ら12名が拘引される。爆裂薬の製造は証拠不十分にて不起訴となるが、捜査の過程で発覚した官吏侮辱罪にて内8名が起訴され、実刑判決が下る。
先行研究では、富松正安隠匿事件から夷隅事件終結までの期間を主な研究対象としており、自由党急進派と夷隅民権派がいつ頃から接触をしたのかは明らかになっていない。また、夷隅事件の詳細な成立過程を考察した滴草充雄氏の論考は、新聞史料を主に考察がなされており、当事件裁判記録とは内容が異なる部分がある。そのため、裁判記録や文書史料を用いて事件の全体像を把握する必要がある。本研究では、これらの課題の検討を試みる。
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《歴史教育》
中世荘園はどうできたか?‐寄進地系荘園を見直そう‐
渋澤 拓真
日本史の単元において、生徒も教師も頭を悩まされるのが「荘園の授業」である。そもそも荘園や寄進という行為が、現代の我々にとってイメージしづらいものであり、生徒もなかなか関心を持てないように感じられる。
また、中世荘園の成立に関しては、多くの教科書で「寄進地系荘園」が取り上げられており、これを説明するために必ずと言ってよいほど「鹿子木荘」の史料が使われている。しかし、鹿子木荘の史料には問題があることが石井進氏によって指摘されているほか、これまでの寄進地系荘園を相対化する中世荘園の成立が、川端新氏や高橋一樹氏らによって明らかにされている。
本実践は、こうした歴史学の研究成果にもとづきながら、「上野国新田荘」の史料を教材化し、中世荘園の成立について、生徒たちと探究したものである。成果と課題について報告したうえで、荘園の授業を生徒がより実感を持って学ぶために、みなさまと議論ができたらと考えている。
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《古代史部会》
「水落地蔵」納入「諸国勧進交名」から見た古代・中世の房総
川尻 秋生
水落地蔵は、もと京都市に存在したが、現在は愛知県津島市の西光寺が所蔵している。重要文化財の指定にあたって解体修理が行われ、多くの資料が発見された。「諸国勧進交名」もその一つで、文治3年(1187)2月から、東日本を中心に30数カ国の勧進が行われ、国ごとに多くの勧進場所、約100名の人名が記されている。これまで歴史学からはまったく注目されていなかったため、報告者は武蔵守で信濃源氏の祖平賀義信、下野国の小山政光、陸奥国の藤原基成(もと陸奥守で藤原秀衡の岳父)の名を見出した他、陸奥国での勧進場所を平泉と考定し、鎌倉との緊張関係を反映していることも示した。
本報告では、これに続いて房総三国での勧進場所・交通・人名の特徴などについて考察を加え、新たな房総の史料として位置づけたい。この時期の一次史料は少ないため、新たな中世史初期の史実および古代に遡源できる多くの要素も紹介できると思う。
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《中世史部会》
小弓公方足利義明の関宿城攻めに関する一考察
遠山 成一
千葉市立郷土博物館では、報告者も担当の一人となって、昨年10月から12月にかけて小弓公方足利義明を取り上げた「我、関東の将軍にならん ‐小弓公方足利義明と戦国期の千葉氏‐」と題する特別展を開催した。
準備するにあたって、十分な事前検討が足りなかったと自身反省する点もいくつかあった。その一つが表題とした義明による関宿城攻めの経緯である。
義明(小弓入部後、道哲と改名するが本報告では足利義明で統一する)は、永正15年(1518)以降に小弓公方となってから、しばらくして兄古河公方足利高基の古河城を攻めるため、その前面に立ちはだかる関宿城に攻撃をしかけている。
年月日不詳小山修理大夫宛「足利高基書状」によると「今度関宿道哲成揺候」とされ、義明の軍勢が関宿城を攻めたことがわかる。問題となるのは、この攻撃がいつどのようにして行われたかであるが、これまで詳細にはわかっていなかったことである。そのため展示でも、今一つ明確には解説できなかった。
その後、大永7年(1527)11月に発給された関宿城主簗田氏家臣の鮎川氏宛の高基感状で知られる名都狩要害での合戦を、関連史料とからめて検討を加えてみた。
本報告では、永正末から大永年間にかけての義明の動向を明らかにし、関宿城攻めがどのような経緯で行われたのかを考えてみたい。
なお、義明が関宿攻めを行うにあたり、小弓から市川、松戸の陸路を使ううえで、高基方から義明方へと帰属を変えた臼井氏の動向が、大きな影響を与えたと考えられる。臼井氏の動向にも注意を払っていきたい。
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《記念講演》
近世史料を読む視点‐江戸新吉原遊郭研究を素材として‐
横山 百合子
講演者紹介
横山 百合子(よこやま ゆりこ)
東京都出身。博士(文学、東京大学)。専攻は、日本近世史・ジェンダー史。
大学卒業後、神奈川県立高校で教鞭をとり、研修制度による大学院入学を転機として修士号・博士号を取得。2007年4月に千葉経済大学経済学部教授に着任以降、帝京大学教授、国立歴史民俗博物館教授を歴任し、2021年3月に同館を定年退職。現在、国立歴史民俗博物館名誉教授。
近世の身分および都市社会に関する研究を踏まえて、近世~近代移行期の女性およびジェンダーの実態と変容を究明する論考を多数発表するとともに、2020年10月~12月にかけて国立歴史民俗博物館で開催された企画展示「性差(ジェンダー)の日本史」では、同展につながる共同研究および展示プロジェクトの代表者を務めた。同展の成果は、展示図録および『新書版 性差の日本史』(集英社、2021年)参照。
明治維新期の江戸の都市史研究として『明治維新と近世身分制の解体』(山川出版社、2005年)、岩波新書『江戸東京の明治維新』(岩波書店、2018年)、遊廓・遊女に関する研究として、「遊女を買う」(佐賀朝・吉田伸之編『シリーズ遊廓社会1 三都と地方都市』吉川弘文館、2013年)、「遊女の「日記」を読む」(長谷川貴彦編『エゴ・ドキュメントの歴史学』岩波書店、2020年)などの著作がある。
会 場 : 千葉市生涯学習センター (千葉市中央区弁天3丁目7-7)
総 会 : 9:40 ~
研究報告: 10:30 ~
※例年と研究報告の部会順が異なりますので、ご注意ください。
①《近世史部会》
「文化・文政期の生実藩領における領主と村の関係性‐「仁政」のリアルを考えるために‐」
岩本 和恵氏(千葉県立千葉高等学校・中学校)
②《近現代史部会》
「夷隅事件‐進展過程の考察‐」
佐藤 海斗氏(大正大学大学院)
③《歴史教育》
「中世荘園はどうできたか?‐寄進地系荘園を見直そう‐」
渋澤 拓真氏(東京都立世田谷総合高等学校)
【昼食・休憩】 12:30~13:30
研究報告: 13:30 ~ 14:45
④《古代史部会》
「「水落地蔵」納入「諸国勧進交名」から見た古代・中世の房総」
川尻 秋生氏(早稲田大学教授)
⑤《中世史部会》
「小弓公方足利義明の関宿城攻めに関する一考察」
遠山 成一氏(千葉市立郷土博物館)
記念講演: 15:00~16:30
〔講演者〕横山百合子氏(国立歴史民俗博物館名誉教授)
〔演 題〕「近世史料を読む視点‐江戸新吉原遊郭研究を素材として‐」
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《近世史部会》
文化・文政期の生実藩領における領主と村の関係性 ‐「仁政」のリアルを考えるために‐
岩本 和恵
譜代大名森川家により治められた生実藩領(一万石)の大部分は、現在の千葉市南部の地域に広がっている。千葉市域を生活圏とする高校生と接するなかで、地域の歴史資料にふれ、具体的に踏み込んで考える機会は少なかった、という声に出会ってきた。本報告は、高校の歴史教育における実践をも見据えて構成した。
生実藩領の村々について、これまで入会権をめぐる争論が注目されてきたが、当該期の社会的・経済的背景や、領主権力と関連づけて検討した研究は少ない。これは、史料の残存状況とも関係していると思われる。
近世後期の領主・領民関係については、治者-被治者の二項対立構図ではなく、両者をとらえる視点として「仁政」のあり方を巡り、議論が蓄積されてきた。本報告では、文化・文政期における争論の内済をめぐる領主と村の動向に注目し、両者の関係性を具体的に検討する。
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《近現代史部会》
夷隅事件 ‐進展過程の考察‐
佐藤 海斗
自由民権期の千葉県において、有力な民権結社の1つであった夷隅郡の以文会は、明治17年初冬、同年9月に発生した加波山事件の首謀者富松正安の逮捕に伴い、同会の会幹らに爆裂薬を用いて圧制政府の転覆を目論む武装蜂起計画の嫌疑がかけられる。官憲は直ちに捜査を開始し、井上幹ら12名が拘引される。爆裂薬の製造は証拠不十分にて不起訴となるが、捜査の過程で発覚した官吏侮辱罪にて内8名が起訴され、実刑判決が下る。
先行研究では、富松正安隠匿事件から夷隅事件終結までの期間を主な研究対象としており、自由党急進派と夷隅民権派がいつ頃から接触をしたのかは明らかになっていない。また、夷隅事件の詳細な成立過程を考察した滴草充雄氏の論考は、新聞史料を主に考察がなされており、当事件裁判記録とは内容が異なる部分がある。そのため、裁判記録や文書史料を用いて事件の全体像を把握する必要がある。本研究では、これらの課題の検討を試みる。
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《歴史教育》
中世荘園はどうできたか?‐寄進地系荘園を見直そう‐
渋澤 拓真
日本史の単元において、生徒も教師も頭を悩まされるのが「荘園の授業」である。そもそも荘園や寄進という行為が、現代の我々にとってイメージしづらいものであり、生徒もなかなか関心を持てないように感じられる。
また、中世荘園の成立に関しては、多くの教科書で「寄進地系荘園」が取り上げられており、これを説明するために必ずと言ってよいほど「鹿子木荘」の史料が使われている。しかし、鹿子木荘の史料には問題があることが石井進氏によって指摘されているほか、これまでの寄進地系荘園を相対化する中世荘園の成立が、川端新氏や高橋一樹氏らによって明らかにされている。
本実践は、こうした歴史学の研究成果にもとづきながら、「上野国新田荘」の史料を教材化し、中世荘園の成立について、生徒たちと探究したものである。成果と課題について報告したうえで、荘園の授業を生徒がより実感を持って学ぶために、みなさまと議論ができたらと考えている。
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《古代史部会》
「水落地蔵」納入「諸国勧進交名」から見た古代・中世の房総
川尻 秋生
水落地蔵は、もと京都市に存在したが、現在は愛知県津島市の西光寺が所蔵している。重要文化財の指定にあたって解体修理が行われ、多くの資料が発見された。「諸国勧進交名」もその一つで、文治3年(1187)2月から、東日本を中心に30数カ国の勧進が行われ、国ごとに多くの勧進場所、約100名の人名が記されている。これまで歴史学からはまったく注目されていなかったため、報告者は武蔵守で信濃源氏の祖平賀義信、下野国の小山政光、陸奥国の藤原基成(もと陸奥守で藤原秀衡の岳父)の名を見出した他、陸奥国での勧進場所を平泉と考定し、鎌倉との緊張関係を反映していることも示した。
本報告では、これに続いて房総三国での勧進場所・交通・人名の特徴などについて考察を加え、新たな房総の史料として位置づけたい。この時期の一次史料は少ないため、新たな中世史初期の史実および古代に遡源できる多くの要素も紹介できると思う。
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《中世史部会》
小弓公方足利義明の関宿城攻めに関する一考察
遠山 成一
千葉市立郷土博物館では、報告者も担当の一人となって、昨年10月から12月にかけて小弓公方足利義明を取り上げた「我、関東の将軍にならん ‐小弓公方足利義明と戦国期の千葉氏‐」と題する特別展を開催した。
準備するにあたって、十分な事前検討が足りなかったと自身反省する点もいくつかあった。その一つが表題とした義明による関宿城攻めの経緯である。
義明(小弓入部後、道哲と改名するが本報告では足利義明で統一する)は、永正15年(1518)以降に小弓公方となってから、しばらくして兄古河公方足利高基の古河城を攻めるため、その前面に立ちはだかる関宿城に攻撃をしかけている。
年月日不詳小山修理大夫宛「足利高基書状」によると「今度関宿道哲成揺候」とされ、義明の軍勢が関宿城を攻めたことがわかる。問題となるのは、この攻撃がいつどのようにして行われたかであるが、これまで詳細にはわかっていなかったことである。そのため展示でも、今一つ明確には解説できなかった。
その後、大永7年(1527)11月に発給された関宿城主簗田氏家臣の鮎川氏宛の高基感状で知られる名都狩要害での合戦を、関連史料とからめて検討を加えてみた。
本報告では、永正末から大永年間にかけての義明の動向を明らかにし、関宿城攻めがどのような経緯で行われたのかを考えてみたい。
なお、義明が関宿攻めを行うにあたり、小弓から市川、松戸の陸路を使ううえで、高基方から義明方へと帰属を変えた臼井氏の動向が、大きな影響を与えたと考えられる。臼井氏の動向にも注意を払っていきたい。
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《記念講演》
近世史料を読む視点‐江戸新吉原遊郭研究を素材として‐
横山 百合子
講演者紹介
横山 百合子(よこやま ゆりこ)
東京都出身。博士(文学、東京大学)。専攻は、日本近世史・ジェンダー史。
大学卒業後、神奈川県立高校で教鞭をとり、研修制度による大学院入学を転機として修士号・博士号を取得。2007年4月に千葉経済大学経済学部教授に着任以降、帝京大学教授、国立歴史民俗博物館教授を歴任し、2021年3月に同館を定年退職。現在、国立歴史民俗博物館名誉教授。
近世の身分および都市社会に関する研究を踏まえて、近世~近代移行期の女性およびジェンダーの実態と変容を究明する論考を多数発表するとともに、2020年10月~12月にかけて国立歴史民俗博物館で開催された企画展示「性差(ジェンダー)の日本史」では、同展につながる共同研究および展示プロジェクトの代表者を務めた。同展の成果は、展示図録および『新書版 性差の日本史』(集英社、2021年)参照。
明治維新期の江戸の都市史研究として『明治維新と近世身分制の解体』(山川出版社、2005年)、岩波新書『江戸東京の明治維新』(岩波書店、2018年)、遊廓・遊女に関する研究として、「遊女を買う」(佐賀朝・吉田伸之編『シリーズ遊廓社会1 三都と地方都市』吉川弘文館、2013年)、「遊女の「日記」を読む」(長谷川貴彦編『エゴ・ドキュメントの歴史学』岩波書店、2020年)などの著作がある。
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第40回千葉歴史学会大会の御案内
千葉歴史学会第40回総会・大会プログラム
日時 2022年5月15日(日)
午前9時30分 受付開始
オンライン開催(Zoomミーティング使用)
今年度はオンラインで行うため、参加申込みについては別紙をご覧下さい。
総 会 9:40~
研究報告 10:30~
①古代上総国における牧の様相
浅野 健太氏(市原市埋蔵文化財調査センター)
②戦国期下総の牧について
外山 信司氏(千葉市立郷土博物館)
③「房総の牧」研究の現在地
「房総の牧」共同研究グループ(岩本和恵・小田真裕・上條静香・土屋雅人・
宮坂新の各氏)
≪昼食・休憩≫(12:30~13:30)
研究報告13:30~14:45
④「馬匹改良」と源村
上田 浄氏(県立市川南高校)
⑤「佐倉はなぜ炭の産地になったのか
―佐倉牧から見た江戸地廻り経済圏の授業実践―」
深田 富佐夫氏(成田高校)
共同研究についての報告者による討論
15:00~15:30
記念講演15:45~17:45
講演者 若狭 徹氏(明治大学文学部教授)
演題
「東日本における古墳時代の馬生産―生産システムとその多様性―」
*********************
共同研究
「房総の牧を探る-古代から近現代まで-」
趣旨説明
近世に江戸幕府及び佐倉藩の直営牧として3つの牧が房総半島に設置されて
いたことは広く知られており、研究の実績も蓄積されている。近代においても
明治政府による直営の西洋馬の畜産施設が下総地域に設置されており、古代に
おいて『延喜式』に記載された諸国牧も含めるならば、中央政府により設営さ
れた牧が古代・近世・近代にわたって存在したことは、全国的にみても顕著な
事例である。これらの各時代の房総の牧を通史的な視点から、また設置された
環境を歴史地理学や植生・土壌などの自然科学の研究成果を活用した学際的な
視野から、房総の牧についてその実態を探る研究を進めてきた。古代・中世に
おいては、近年の牧の関連遺跡の発掘調査結果から牧の存在を探り、近世の牧
については最近の研究動向を紹介し、更に近世の牧の終焉後に近代の軍馬生産
として馬匹生産が継続された実態についても明らかにする。歴史学・考古学・
民俗学などの部会を有する千葉歴史学会のメリットを活かして、古代から近現
代の房総の地において馬を生産する風土・環境・技術・文化が時代を超えて引
き継がれていたものかどうか、牧が設置された「環境」と馬の「生産技術」を
キーワードにして、その実態に迫りたい。統一テーマにより、古代・中世・近
世・近現代の各部会の共同研究の成果として大会で公開するのは初めての試み
である。コロナ禍の影響で部会活動を十分に実施できず、共同研究はまだ途中
の段階であるが、現時点での成果として報告し、皆様のご意見を賜り、更に研
究を発展的に継続していきたい。
*********************
《古代史部会》
古代上総国における牧の様相
浅野 健太
古代の房総は『延喜式』の記載から、上総国で2か所、下総国で5か所、安房
国で2か所に官牧である諸国牧が置かれ、馬の生産が行われていたことが明ら
かである。しかし、これまで千葉県の古代牧に関わる研究は低調で、その実態
は明らかになっていなかった。
今回千葉歴史学会古代史部会では、考古学と文献史学の共同で、古墳時代か
ら平安時代にかけての、房総の牧の特性を明らかにすべく共同研究を行った。
この研究で明らかになったことは多岐に及ぶが、本報告では報告者が担当し
た、上総国の古代牧の考古学的検討の成果を中心に発表する。
本報告では上総国で出土する、8世紀から11世紀頃にかけての「牧」関連墨
書土器と馬具、ウマ・ウシの骨を集成し、墨書土器の記載から私牧の存在を認
め、これらの墨書土器が出土する遺跡から、馬具が集中して出土すること、遺
跡群ごとに鐙吊金具の鐙への接着技法が異なることから、牧単位での馬具の製
作を指摘した。 また、私牧が設置された遺跡は、初期荘園としての性格が指
摘されていることから、上総国の私牧は牧単体として開発・成立したものでは
なく、あくまでも初期荘園の構成要素の一つとして付随する、極めて小規模な
ものであるという、官牧と異なる特性を明らかにする。
*********************
《中世史部会》
戦国期下総の牧について
外山 信司
房総の中世の牧に関する史料は古代と同様に乏しい。このため中世武士団と
牧との関わりについては、もっぱら状況証拠によって語られてきた。例えば、
平将門は馬牧と製鉄によって強力な武力を養い、千葉氏が尊崇した妙見は馬飼
いの渡来系氏族の信仰だったと考えられてきた。また、江戸幕府による官営牧
の淵源は戦国期の牧と伝えられ、野馬奉行・牧士は千葉氏の一族・家臣の系譜
を引くとされてきた。いずれも魅力的ではあるが、史料上では明確に裏付ける
ことができない。
そこで、本報告では、「原文書」「青柳文書」といった、限られた史料を検
討し、戦国期の千葉氏と牧について考えたい。後者は小田原北条氏から「厩の
別当」と呼ばれ、近世初期に牧士となった青柳氏に伝わったものであり、近世
の牧との接点となり得るものであろう。
また、綱原屋敷跡遺跡(香取市)、かのへ塚遺跡(成田市)といった、中世
の牧の遺構と考えられる遺跡について、考古学の調査成果を紹介したい。
*********************
《近世史部会》
「房総の牧」研究の現在地
近世史部会「房総の牧」共同研究グループ
(岩本和恵・小田真裕・上條静香・土屋雅人・宮坂新)
本報告では、近世房総の牧(小金牧・佐倉牧・嶺岡牧)に関する、①近年の
自治体および博物館等・学会・市民の取組みを総括し、②近年の調査・研究の
成果と残された課題を確認する。そして、牧に関心を持つ幅広い層の大会参加
者に、研究や実践の参考資料を提供したい。
房総近世史の研究対象の中でも牧は、①市町村の境界を越えた調査が必要、
②考古学・歴史学等複数の専門分野の知見を合わせることが有効、③自治体や
博物館だけでなく、郷土史家、地域住民など、さまざまなアクターによる重要
な研究成果や史料・史跡保存の取組が見られるという特徴がある。③は、2017
年2月に酒々井町で開催されたフォーラム「房総の牧を考える」以降顕著であ
り、日本遺産申請、史跡指定、博物館等での企画展示のような行政側の動向が
見られ、開墾150年記念事業や研究成果の自費出版など、市民主導の取組も見
られる。
大会当日は、これらの動向をまとめた資料を配布する予定である。
*********************
《近現代史部会》
「馬匹改良」と源村
上田 浄
近代以降、旧小金牧・佐倉牧の一帯は廃牧後、旧佐倉牧地域で下総御料牧場
において馬の品種改良が小規模ながら行われていた。一方、旧嶺岡牧では、い
くつかの変遷を経て、首都の需要に応じた酪農業が展開されていく。こうして
近世旧牧の大部分は軍馬の育成という役割を終えて解体していったのである。
一方で近代以降、特に日露戦争後に「全国ノ馬皆軍馬」とすべく、陸軍省が主
体となった第一次馬政計画が推進されていく。これをふまえて本報告では、先
行研究ではほとんどふれられることのなかった千葉県の軍馬育成の取組みにつ
いて、山武郡源村の産馬事業を事例として、旧牧の管理運営に携わった人々
の、近代における動向を明らかにしてみたいと考える。
*********************
《歴史教育》
「佐倉はなぜ炭の産地になったのか
―佐倉牧から見た江戸地廻り経済圏の授業実践―」
深田 富佐夫
本報告は、高等学校における日本史Bの授業で、江戸地廻り経済圏について
の学習のために、佐倉牧での炭の生産を題材にして行った授業実践である。
近世の流通についての学習では、五街道などの陸上交通と共に水上交通の重
要性を理解させたいと考えている。そこで、消費地である江戸へ出荷するため
のルートとして、江戸湾とともに印旛沼や利根川といった河川や湖沼が利用さ
れたことを学習し、さらに炭の原料の供給地を考えさせることを通じて、北総
地域の台地が幕府の牧であったことを理解させることを目的とした授業を行っ
た。
*********************
《記念講演》
東日本における古墳時代の馬生産
―生産システムとその多様性―
若狭 徹
講演者紹介
若狭 徹(わかさとおる)
専攻は、古墳時代。主に東国の古墳時代社会構造に関する研究。
著書には、『埴輪は語る』(ちくま新書、2021年)、『古墳時代東国の地域経
営』(吉川弘文館、2021年)、『古代の東国1前方後円墳と東国社会』(吉川
弘文館、2017年)『東国から読み解く古墳時代』(吉川弘文館歴史文化ライブ
ラリー、2015年)など。今回のテーマに関わる論文に「馬と渡来文化―古墳時
代東国の馬生産―」『馬と古代社会』(八木書店、2021年)ほかがある。
*********************
【別紙】
千葉歴史学会 第40回総会・大会
オンライン参加申し込み方法
今回で40回目を迎える千葉歴史学会の大会ですが、新型コロナウイルス感染拡
大防止のため、「Zoom」を使用しオンラインで開催する運びとなりました。
参加のお申し込みは、Googleフォームにて承ります。下記メールアドレスまで
お知らせ下さい。(定員は先着順で100名です。)
《メールでのお申し込みの方法》
chibareki@gmail.com へ
①お名前、②Zoomが使用できるスマートフォンかパソコンのメールアドレ
ス、をお知らせ下さい。Googleフォームのお申し込み先(URL)をご案内いた
します。
1.参加費500円をお振り込み下さい。
振込先 ゆうちょ銀行
振替口座 00140-2-25468 (加入者名)千葉歴史学会
2.振込確認後、ZoomのID・パスコードと資料のダウンロード方法をご案内し
ます。
締切(振込までお済ませください)
5月10日(火)
済みませんが、振り込み料はご負担をお願いします。
新年度の会費を同時に振り込まれる場合はその旨を記して下さい。
よろしくお願い致します。
日時 2022年5月15日(日)
午前9時30分 受付開始
オンライン開催(Zoomミーティング使用)
今年度はオンラインで行うため、参加申込みについては別紙をご覧下さい。
総 会 9:40~
研究報告 10:30~
①古代上総国における牧の様相
浅野 健太氏(市原市埋蔵文化財調査センター)
②戦国期下総の牧について
外山 信司氏(千葉市立郷土博物館)
③「房総の牧」研究の現在地
「房総の牧」共同研究グループ(岩本和恵・小田真裕・上條静香・土屋雅人・
宮坂新の各氏)
≪昼食・休憩≫(12:30~13:30)
研究報告13:30~14:45
④「馬匹改良」と源村
上田 浄氏(県立市川南高校)
⑤「佐倉はなぜ炭の産地になったのか
―佐倉牧から見た江戸地廻り経済圏の授業実践―」
深田 富佐夫氏(成田高校)
共同研究についての報告者による討論
15:00~15:30
記念講演15:45~17:45
講演者 若狭 徹氏(明治大学文学部教授)
演題
「東日本における古墳時代の馬生産―生産システムとその多様性―」
*********************
共同研究
「房総の牧を探る-古代から近現代まで-」
趣旨説明
近世に江戸幕府及び佐倉藩の直営牧として3つの牧が房総半島に設置されて
いたことは広く知られており、研究の実績も蓄積されている。近代においても
明治政府による直営の西洋馬の畜産施設が下総地域に設置されており、古代に
おいて『延喜式』に記載された諸国牧も含めるならば、中央政府により設営さ
れた牧が古代・近世・近代にわたって存在したことは、全国的にみても顕著な
事例である。これらの各時代の房総の牧を通史的な視点から、また設置された
環境を歴史地理学や植生・土壌などの自然科学の研究成果を活用した学際的な
視野から、房総の牧についてその実態を探る研究を進めてきた。古代・中世に
おいては、近年の牧の関連遺跡の発掘調査結果から牧の存在を探り、近世の牧
については最近の研究動向を紹介し、更に近世の牧の終焉後に近代の軍馬生産
として馬匹生産が継続された実態についても明らかにする。歴史学・考古学・
民俗学などの部会を有する千葉歴史学会のメリットを活かして、古代から近現
代の房総の地において馬を生産する風土・環境・技術・文化が時代を超えて引
き継がれていたものかどうか、牧が設置された「環境」と馬の「生産技術」を
キーワードにして、その実態に迫りたい。統一テーマにより、古代・中世・近
世・近現代の各部会の共同研究の成果として大会で公開するのは初めての試み
である。コロナ禍の影響で部会活動を十分に実施できず、共同研究はまだ途中
の段階であるが、現時点での成果として報告し、皆様のご意見を賜り、更に研
究を発展的に継続していきたい。
*********************
《古代史部会》
古代上総国における牧の様相
浅野 健太
古代の房総は『延喜式』の記載から、上総国で2か所、下総国で5か所、安房
国で2か所に官牧である諸国牧が置かれ、馬の生産が行われていたことが明ら
かである。しかし、これまで千葉県の古代牧に関わる研究は低調で、その実態
は明らかになっていなかった。
今回千葉歴史学会古代史部会では、考古学と文献史学の共同で、古墳時代か
ら平安時代にかけての、房総の牧の特性を明らかにすべく共同研究を行った。
この研究で明らかになったことは多岐に及ぶが、本報告では報告者が担当し
た、上総国の古代牧の考古学的検討の成果を中心に発表する。
本報告では上総国で出土する、8世紀から11世紀頃にかけての「牧」関連墨
書土器と馬具、ウマ・ウシの骨を集成し、墨書土器の記載から私牧の存在を認
め、これらの墨書土器が出土する遺跡から、馬具が集中して出土すること、遺
跡群ごとに鐙吊金具の鐙への接着技法が異なることから、牧単位での馬具の製
作を指摘した。 また、私牧が設置された遺跡は、初期荘園としての性格が指
摘されていることから、上総国の私牧は牧単体として開発・成立したものでは
なく、あくまでも初期荘園の構成要素の一つとして付随する、極めて小規模な
ものであるという、官牧と異なる特性を明らかにする。
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《中世史部会》
戦国期下総の牧について
外山 信司
房総の中世の牧に関する史料は古代と同様に乏しい。このため中世武士団と
牧との関わりについては、もっぱら状況証拠によって語られてきた。例えば、
平将門は馬牧と製鉄によって強力な武力を養い、千葉氏が尊崇した妙見は馬飼
いの渡来系氏族の信仰だったと考えられてきた。また、江戸幕府による官営牧
の淵源は戦国期の牧と伝えられ、野馬奉行・牧士は千葉氏の一族・家臣の系譜
を引くとされてきた。いずれも魅力的ではあるが、史料上では明確に裏付ける
ことができない。
そこで、本報告では、「原文書」「青柳文書」といった、限られた史料を検
討し、戦国期の千葉氏と牧について考えたい。後者は小田原北条氏から「厩の
別当」と呼ばれ、近世初期に牧士となった青柳氏に伝わったものであり、近世
の牧との接点となり得るものであろう。
また、綱原屋敷跡遺跡(香取市)、かのへ塚遺跡(成田市)といった、中世
の牧の遺構と考えられる遺跡について、考古学の調査成果を紹介したい。
*********************
《近世史部会》
「房総の牧」研究の現在地
近世史部会「房総の牧」共同研究グループ
(岩本和恵・小田真裕・上條静香・土屋雅人・宮坂新)
本報告では、近世房総の牧(小金牧・佐倉牧・嶺岡牧)に関する、①近年の
自治体および博物館等・学会・市民の取組みを総括し、②近年の調査・研究の
成果と残された課題を確認する。そして、牧に関心を持つ幅広い層の大会参加
者に、研究や実践の参考資料を提供したい。
房総近世史の研究対象の中でも牧は、①市町村の境界を越えた調査が必要、
②考古学・歴史学等複数の専門分野の知見を合わせることが有効、③自治体や
博物館だけでなく、郷土史家、地域住民など、さまざまなアクターによる重要
な研究成果や史料・史跡保存の取組が見られるという特徴がある。③は、2017
年2月に酒々井町で開催されたフォーラム「房総の牧を考える」以降顕著であ
り、日本遺産申請、史跡指定、博物館等での企画展示のような行政側の動向が
見られ、開墾150年記念事業や研究成果の自費出版など、市民主導の取組も見
られる。
大会当日は、これらの動向をまとめた資料を配布する予定である。
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《近現代史部会》
「馬匹改良」と源村
上田 浄
近代以降、旧小金牧・佐倉牧の一帯は廃牧後、旧佐倉牧地域で下総御料牧場
において馬の品種改良が小規模ながら行われていた。一方、旧嶺岡牧では、い
くつかの変遷を経て、首都の需要に応じた酪農業が展開されていく。こうして
近世旧牧の大部分は軍馬の育成という役割を終えて解体していったのである。
一方で近代以降、特に日露戦争後に「全国ノ馬皆軍馬」とすべく、陸軍省が主
体となった第一次馬政計画が推進されていく。これをふまえて本報告では、先
行研究ではほとんどふれられることのなかった千葉県の軍馬育成の取組みにつ
いて、山武郡源村の産馬事業を事例として、旧牧の管理運営に携わった人々
の、近代における動向を明らかにしてみたいと考える。
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《歴史教育》
「佐倉はなぜ炭の産地になったのか
―佐倉牧から見た江戸地廻り経済圏の授業実践―」
深田 富佐夫
本報告は、高等学校における日本史Bの授業で、江戸地廻り経済圏について
の学習のために、佐倉牧での炭の生産を題材にして行った授業実践である。
近世の流通についての学習では、五街道などの陸上交通と共に水上交通の重
要性を理解させたいと考えている。そこで、消費地である江戸へ出荷するため
のルートとして、江戸湾とともに印旛沼や利根川といった河川や湖沼が利用さ
れたことを学習し、さらに炭の原料の供給地を考えさせることを通じて、北総
地域の台地が幕府の牧であったことを理解させることを目的とした授業を行っ
た。
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《記念講演》
東日本における古墳時代の馬生産
―生産システムとその多様性―
若狭 徹
講演者紹介
若狭 徹(わかさとおる)
専攻は、古墳時代。主に東国の古墳時代社会構造に関する研究。
著書には、『埴輪は語る』(ちくま新書、2021年)、『古墳時代東国の地域経
営』(吉川弘文館、2021年)、『古代の東国1前方後円墳と東国社会』(吉川
弘文館、2017年)『東国から読み解く古墳時代』(吉川弘文館歴史文化ライブ
ラリー、2015年)など。今回のテーマに関わる論文に「馬と渡来文化―古墳時
代東国の馬生産―」『馬と古代社会』(八木書店、2021年)ほかがある。
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【別紙】
千葉歴史学会 第40回総会・大会
オンライン参加申し込み方法
今回で40回目を迎える千葉歴史学会の大会ですが、新型コロナウイルス感染拡
大防止のため、「Zoom」を使用しオンラインで開催する運びとなりました。
参加のお申し込みは、Googleフォームにて承ります。下記メールアドレスまで
お知らせ下さい。(定員は先着順で100名です。)
《メールでのお申し込みの方法》
chibareki@gmail.com へ
①お名前、②Zoomが使用できるスマートフォンかパソコンのメールアドレ
ス、をお知らせ下さい。Googleフォームのお申し込み先(URL)をご案内いた
します。
1.参加費500円をお振り込み下さい。
振込先 ゆうちょ銀行
振替口座 00140-2-25468 (加入者名)千葉歴史学会
2.振込確認後、ZoomのID・パスコードと資料のダウンロード方法をご案内し
ます。
締切(振込までお済ませください)
5月10日(火)
済みませんが、振り込み料はご負担をお願いします。
新年度の会費を同時に振り込まれる場合はその旨を記して下さい。
よろしくお願い致します。
第39回総会・大会のご案内
千葉歴史学会第39回総会・大会のご案内をいたします。本年は例年と会場が異なりますので、ご注意ください。また、コロナウイルス感染拡大にともなう対応についてもお読みください。非会員の方も参加できますので、ぜひお越しください。
日時 2021年5月23日(日)
午前9時30分 受付開始
場所 千葉県文化会館 小ホール
日程
総 会 9:40~
研究報告 10:30~
① 《古代史部会》房総における施釉陶器の受容
立原遼平氏(鹿嶋市どきどきセンター)
② 《中世史部会》千葉常秀の「上総介」継承をめぐって
岩橋直樹氏(八潮市立資料館)
③ 《近世史部会》祐天の成田不動利生譚に見る近世の高僧イメージ
猪岡萌菜氏(成田山霊光館)
≪昼食・休憩≫(12:30~13:30)
研究報告13:30~
④ 《近現代史部会》戦時下の中等学校におけるグライダーの普及について-千葉県下の動向を追って-
小暮達夫氏(佐倉市立中央公民館)
⑤ 《歴史教育部会》「新しい」歴史授業に求められるものとは-単元「ペリー来航と幕末外交」の場合-
上田茂氏(千葉県立千葉西高等学校)
記念講演15:00~
講演者 荒川章二氏
(国立歴史民俗博物館名誉教授)
演題「帝都の軍隊」
《コロナウイルス感染拡大にともなう対応》
昨年来、各報道にあるとおり、新型コロナウイルスの感染拡大が日本のみならず、世界で問題となっております。当会といたしましても、開催または中止(延期)どちらの場合でも対応をしていく考えです。当会の方針は以下の通りです。会員皆さま方および報告者、運営担当の健康・安全を第一に考え、対応させていただくことを何とぞご理解願います。
【開催の場合】
(1)来場自粛のお願い
・発熱、継続的な咳のある方
・2週間以内に新型コロナウイルス感染者と濃 厚接触した方
・2週間以内に新型コロナウイルス流行国から 帰国した方
・2週間以内に新型コロナウイルス流行国から 帰国した方と濃厚接触した方
※感染経路不明のケースもあるため、最終的に は会員各自の自己判断に委ねます。
(2)会場での感染拡大防止の対策
・席の間隔を確保できるように通常よりも広い会場での開催を予定しております。
・飛沫感染予防のためマスク着用や可能な限り の手洗い・うがいをお願いいたします。
・飛沫感染予防のため会場内での会話は司会、 報告者、質問者以外は極力お控え願います。
・受付時の現金受け渡しではお互いの接触を極 力減らすため、おつりがないようご準備を可 能な限りお願いいたします。
・入口に設置した消毒液による殺菌の協力を お願いいたします。
【中止(延期)の場合】
(1)当学会が中止(延期)の判断をした場合
・HP(http://chibareki.blog.fc2.com/)にて決定後、速やかにお知らせいたします。会員の皆さま方におかれましては、随時ご確認をお願い申し上げます。
・問い合わせは、以下のメールアドレスにお問い合わせください(chibareki@yahoo.co.jp)
(2)会場が中止の要請をしてきた場合
・HPにて同様に速やかにお知らせいたし ます。会場となる千葉県文化会館のHPなども随時ご確認いただきますようお願い申し上げます。
(3)当日の資料などについて
・中止の決定後、委員間で意見を取りまとめ、 資料の郵送などを検討いたします。
日時 2021年5月23日(日)
午前9時30分 受付開始
場所 千葉県文化会館 小ホール
日程
総 会 9:40~
研究報告 10:30~
① 《古代史部会》房総における施釉陶器の受容
立原遼平氏(鹿嶋市どきどきセンター)
② 《中世史部会》千葉常秀の「上総介」継承をめぐって
岩橋直樹氏(八潮市立資料館)
③ 《近世史部会》祐天の成田不動利生譚に見る近世の高僧イメージ
猪岡萌菜氏(成田山霊光館)
≪昼食・休憩≫(12:30~13:30)
研究報告13:30~
④ 《近現代史部会》戦時下の中等学校におけるグライダーの普及について-千葉県下の動向を追って-
小暮達夫氏(佐倉市立中央公民館)
⑤ 《歴史教育部会》「新しい」歴史授業に求められるものとは-単元「ペリー来航と幕末外交」の場合-
上田茂氏(千葉県立千葉西高等学校)
記念講演15:00~
講演者 荒川章二氏
(国立歴史民俗博物館名誉教授)
演題「帝都の軍隊」
《コロナウイルス感染拡大にともなう対応》
昨年来、各報道にあるとおり、新型コロナウイルスの感染拡大が日本のみならず、世界で問題となっております。当会といたしましても、開催または中止(延期)どちらの場合でも対応をしていく考えです。当会の方針は以下の通りです。会員皆さま方および報告者、運営担当の健康・安全を第一に考え、対応させていただくことを何とぞご理解願います。
【開催の場合】
(1)来場自粛のお願い
・発熱、継続的な咳のある方
・2週間以内に新型コロナウイルス感染者と濃 厚接触した方
・2週間以内に新型コロナウイルス流行国から 帰国した方
・2週間以内に新型コロナウイルス流行国から 帰国した方と濃厚接触した方
※感染経路不明のケースもあるため、最終的に は会員各自の自己判断に委ねます。
(2)会場での感染拡大防止の対策
・席の間隔を確保できるように通常よりも広い会場での開催を予定しております。
・飛沫感染予防のためマスク着用や可能な限り の手洗い・うがいをお願いいたします。
・飛沫感染予防のため会場内での会話は司会、 報告者、質問者以外は極力お控え願います。
・受付時の現金受け渡しではお互いの接触を極 力減らすため、おつりがないようご準備を可 能な限りお願いいたします。
・入口に設置した消毒液による殺菌の協力を お願いいたします。
【中止(延期)の場合】
(1)当学会が中止(延期)の判断をした場合
・HP(http://chibareki.blog.fc2.com/)にて決定後、速やかにお知らせいたします。会員の皆さま方におかれましては、随時ご確認をお願い申し上げます。
・問い合わせは、以下のメールアドレスにお問い合わせください(chibareki@yahoo.co.jp)
(2)会場が中止の要請をしてきた場合
・HPにて同様に速やかにお知らせいたし ます。会場となる千葉県文化会館のHPなども随時ご確認いただきますようお願い申し上げます。
(3)当日の資料などについて
・中止の決定後、委員間で意見を取りまとめ、 資料の郵送などを検討いたします。
第39回千葉歴史学会総会・大会延期のお知らせ
2020年4月4日
千葉歴史学会会員及び関係の皆様
第39回千葉歴史学会総会・大会延期のお知らせ
謹啓
会員の皆様方におかれましてはますますご清栄のこととお慶び申し上げます。また、平素は当会の活動にご理解を賜りまして深く感謝申し上げます。
さて、会員の皆さま方に大切なお知らせがございます。例年、5月中旬の日曜日に開催しております当会の総会・大会ですが、昨今の新型コロナウイルス感染拡大という状況を受け、委員間にて複数回にわたり協議を重ねてまいりましたが、ご来場される会員の皆様及び運営委員の健康と安全を第一に考え、たいへん残念ではございますが、「当分の間延期」という判断をいたしました。直前でのご報告となりましたこと、お詫び申し上げます。どうか昨今の状況を踏まえ、ご理解賜れれば幸いです。
今後、どの時期に延期・開催するかも含めて、委員間で協議を重ねてまいります。新型コロナウイルス感染拡大の終息状況がみえてきましたら、改めて日程調整をする次第です。それまでは「当分の間延期」という当会の判断にご了解いただけましたらありがたいです。
当会といたしましても苦渋の決断となりますが、1日も早く総会・大会を開催できる日が来ることを祈念しております。開催の際には、会員の皆様方がご満足いただける総会・大会にできるよう尽力する所存です。
何かご不明な点やご意見などがございましたら、当会のメールアドレスにお問い合わせください。
最後になりますが、改めて会員の皆様方にお詫び申し上げるとともに、延期のご報告を重ねて申し上げます。
謹白
千葉歴史学会
代表 菅原 憲二
委員一同
千葉歴史学会会員及び関係の皆様
第39回千葉歴史学会総会・大会延期のお知らせ
謹啓
会員の皆様方におかれましてはますますご清栄のこととお慶び申し上げます。また、平素は当会の活動にご理解を賜りまして深く感謝申し上げます。
さて、会員の皆さま方に大切なお知らせがございます。例年、5月中旬の日曜日に開催しております当会の総会・大会ですが、昨今の新型コロナウイルス感染拡大という状況を受け、委員間にて複数回にわたり協議を重ねてまいりましたが、ご来場される会員の皆様及び運営委員の健康と安全を第一に考え、たいへん残念ではございますが、「当分の間延期」という判断をいたしました。直前でのご報告となりましたこと、お詫び申し上げます。どうか昨今の状況を踏まえ、ご理解賜れれば幸いです。
今後、どの時期に延期・開催するかも含めて、委員間で協議を重ねてまいります。新型コロナウイルス感染拡大の終息状況がみえてきましたら、改めて日程調整をする次第です。それまでは「当分の間延期」という当会の判断にご了解いただけましたらありがたいです。
当会といたしましても苦渋の決断となりますが、1日も早く総会・大会を開催できる日が来ることを祈念しております。開催の際には、会員の皆様方がご満足いただける総会・大会にできるよう尽力する所存です。
何かご不明な点やご意見などがございましたら、当会のメールアドレスにお問い合わせください。
最後になりますが、改めて会員の皆様方にお詫び申し上げるとともに、延期のご報告を重ねて申し上げます。
謹白
千葉歴史学会
代表 菅原 憲二
委員一同
第38回総会・大会のご案内
千葉歴史学会第38回総会・大会のご案内をいたします。本年は例年と会場が異なりますので、ご注意ください。非会員の方も参加できますので、ぜひお越しください。
日時 2019年5月19日(日)
午前9時30分 受付開始
場所 千葉市生涯学習センター
(千葉市中央区弁天3丁目7番7号)
交通:JR千葉駅「中央改札」を降りて、「千葉公園口」から徒歩8分。または千葉モノレール「千葉公園駅」から徒歩5分
日程
総 会 9:40~
研究報告 10:30~
①下総国府と道路
-国府台遺跡第192地点の調査成果から-
垣中健志(千葉県教育庁教育振興部文化財課)
②酒々井町本佐倉城跡の発掘調査と環境整備
-国史跡指定20周年を経て-
広瀬千絵(酒々井町教育委員会)
③近世後期における地域社会と手習塾
―下総国葛飾郡藤原新田「安川舎」を事例に―
竹中友亮(ワークスイッチコンサルティング)
≪昼食・休憩≫(12:30~13:30)
研究報告13:30~
④1952年第25回総選挙に見る戦前派代議士の政界復帰と支持基盤
―千葉県第1区と川島正次郎を中心に―
車田忠継(二松學舎大学附属高等学校)
⑤「継続して」歴史を考える授業
―明治維新を5段階で評価する―
内田圭亮(神奈川県立荏田高等学校)
記念講演15:00~
講演者 吉村武彦氏(明治大学名誉教授)
演題「『帝紀・旧辞』の再構築と東国論」
日時 2019年5月19日(日)
午前9時30分 受付開始
場所 千葉市生涯学習センター
(千葉市中央区弁天3丁目7番7号)
交通:JR千葉駅「中央改札」を降りて、「千葉公園口」から徒歩8分。または千葉モノレール「千葉公園駅」から徒歩5分
日程
総 会 9:40~
研究報告 10:30~
①下総国府と道路
-国府台遺跡第192地点の調査成果から-
垣中健志(千葉県教育庁教育振興部文化財課)
②酒々井町本佐倉城跡の発掘調査と環境整備
-国史跡指定20周年を経て-
広瀬千絵(酒々井町教育委員会)
③近世後期における地域社会と手習塾
―下総国葛飾郡藤原新田「安川舎」を事例に―
竹中友亮(ワークスイッチコンサルティング)
≪昼食・休憩≫(12:30~13:30)
研究報告13:30~
④1952年第25回総選挙に見る戦前派代議士の政界復帰と支持基盤
―千葉県第1区と川島正次郎を中心に―
車田忠継(二松學舎大学附属高等学校)
⑤「継続して」歴史を考える授業
―明治維新を5段階で評価する―
内田圭亮(神奈川県立荏田高等学校)
記念講演15:00~
講演者 吉村武彦氏(明治大学名誉教授)
演題「『帝紀・旧辞』の再構築と東国論」