fc2ブログ

千葉歴史学会

千葉で歴史を学ぶ人 千葉の歴史を学ぶ人 どなたでもご入会いただけます。会誌『千葉史学』。

2022-05

第40回千葉歴史学会大会の御案内

千葉歴史学会第40回総会・大会プログラム

日時 2022年5月15日(日)
午前9時30分 受付開始

オンライン開催(Zoomミーティング使用)

今年度はオンラインで行うため、参加申込みについては別紙をご覧下さい。

総 会  9:40~
研究報告 10:30~
①古代上総国における牧の様相
浅野 健太氏(市原市埋蔵文化財調査センター)

②戦国期下総の牧について
外山 信司氏(千葉市立郷土博物館)

③「房総の牧」研究の現在地
「房総の牧」共同研究グループ(岩本和恵・小田真裕・上條静香・土屋雅人・
宮坂新の各氏)

≪昼食・休憩≫(12:30~13:30)

研究報告13:30~14:45
④「馬匹改良」と源村
     上田 浄氏(県立市川南高校)

⑤「佐倉はなぜ炭の産地になったのか 
―佐倉牧から見た江戸地廻り経済圏の授業実践―」
      深田 富佐夫氏(成田高校)

共同研究についての報告者による討論
15:00~15:30

記念講演15:45~17:45
講演者 若狭 徹氏(明治大学文学部教授)
演題
「東日本における古墳時代の馬生産―生産システムとその多様性―」

*********************

共同研究
「房総の牧を探る-古代から近現代まで-」
趣旨説明
 近世に江戸幕府及び佐倉藩の直営牧として3つの牧が房総半島に設置されて
いたことは広く知られており、研究の実績も蓄積されている。近代においても
明治政府による直営の西洋馬の畜産施設が下総地域に設置されており、古代に
おいて『延喜式』に記載された諸国牧も含めるならば、中央政府により設営さ
れた牧が古代・近世・近代にわたって存在したことは、全国的にみても顕著な
事例である。これらの各時代の房総の牧を通史的な視点から、また設置された
環境を歴史地理学や植生・土壌などの自然科学の研究成果を活用した学際的な
視野から、房総の牧についてその実態を探る研究を進めてきた。古代・中世に
おいては、近年の牧の関連遺跡の発掘調査結果から牧の存在を探り、近世の牧
については最近の研究動向を紹介し、更に近世の牧の終焉後に近代の軍馬生産
として馬匹生産が継続された実態についても明らかにする。歴史学・考古学・
民俗学などの部会を有する千葉歴史学会のメリットを活かして、古代から近現
代の房総の地において馬を生産する風土・環境・技術・文化が時代を超えて引
き継がれていたものかどうか、牧が設置された「環境」と馬の「生産技術」を
キーワードにして、その実態に迫りたい。統一テーマにより、古代・中世・近
世・近現代の各部会の共同研究の成果として大会で公開するのは初めての試み
である。コロナ禍の影響で部会活動を十分に実施できず、共同研究はまだ途中
の段階であるが、現時点での成果として報告し、皆様のご意見を賜り、更に研
究を発展的に継続していきたい。
*********************
《古代史部会》
古代上総国における牧の様相
               浅野 健太

 古代の房総は『延喜式』の記載から、上総国で2か所、下総国で5か所、安房
国で2か所に官牧である諸国牧が置かれ、馬の生産が行われていたことが明ら
かである。しかし、これまで千葉県の古代牧に関わる研究は低調で、その実態
は明らかになっていなかった。
 今回千葉歴史学会古代史部会では、考古学と文献史学の共同で、古墳時代か
ら平安時代にかけての、房総の牧の特性を明らかにすべく共同研究を行った。
この研究で明らかになったことは多岐に及ぶが、本報告では報告者が担当し
た、上総国の古代牧の考古学的検討の成果を中心に発表する。
 本報告では上総国で出土する、8世紀から11世紀頃にかけての「牧」関連墨
書土器と馬具、ウマ・ウシの骨を集成し、墨書土器の記載から私牧の存在を認
め、これらの墨書土器が出土する遺跡から、馬具が集中して出土すること、遺
跡群ごとに鐙吊金具の鐙への接着技法が異なることから、牧単位での馬具の製
作を指摘した。 また、私牧が設置された遺跡は、初期荘園としての性格が指
摘されていることから、上総国の私牧は牧単体として開発・成立したものでは
なく、あくまでも初期荘園の構成要素の一つとして付随する、極めて小規模な
ものであるという、官牧と異なる特性を明らかにする。

*********************
《中世史部会》
戦国期下総の牧について
               外山 信司

 房総の中世の牧に関する史料は古代と同様に乏しい。このため中世武士団と
牧との関わりについては、もっぱら状況証拠によって語られてきた。例えば、
平将門は馬牧と製鉄によって強力な武力を養い、千葉氏が尊崇した妙見は馬飼
いの渡来系氏族の信仰だったと考えられてきた。また、江戸幕府による官営牧
の淵源は戦国期の牧と伝えられ、野馬奉行・牧士は千葉氏の一族・家臣の系譜
を引くとされてきた。いずれも魅力的ではあるが、史料上では明確に裏付ける
ことができない。
 そこで、本報告では、「原文書」「青柳文書」といった、限られた史料を検
討し、戦国期の千葉氏と牧について考えたい。後者は小田原北条氏から「厩の
別当」と呼ばれ、近世初期に牧士となった青柳氏に伝わったものであり、近世
の牧との接点となり得るものであろう。
 また、綱原屋敷跡遺跡(香取市)、かのへ塚遺跡(成田市)といった、中世
の牧の遺構と考えられる遺跡について、考古学の調査成果を紹介したい。

*********************
《近世史部会》
「房総の牧」研究の現在地
 近世史部会「房総の牧」共同研究グループ
(岩本和恵・小田真裕・上條静香・土屋雅人・宮坂新)
 
 本報告では、近世房総の牧(小金牧・佐倉牧・嶺岡牧)に関する、①近年の
自治体および博物館等・学会・市民の取組みを総括し、②近年の調査・研究の
成果と残された課題を確認する。そして、牧に関心を持つ幅広い層の大会参加
者に、研究や実践の参考資料を提供したい。
 房総近世史の研究対象の中でも牧は、①市町村の境界を越えた調査が必要、
②考古学・歴史学等複数の専門分野の知見を合わせることが有効、③自治体や
博物館だけでなく、郷土史家、地域住民など、さまざまなアクターによる重要
な研究成果や史料・史跡保存の取組が見られるという特徴がある。③は、2017
年2月に酒々井町で開催されたフォーラム「房総の牧を考える」以降顕著であ
り、日本遺産申請、史跡指定、博物館等での企画展示のような行政側の動向が
見られ、開墾150年記念事業や研究成果の自費出版など、市民主導の取組も見
られる。
 大会当日は、これらの動向をまとめた資料を配布する予定である。

*********************
《近現代史部会》
「馬匹改良」と源村
                上田 浄

 近代以降、旧小金牧・佐倉牧の一帯は廃牧後、旧佐倉牧地域で下総御料牧場
において馬の品種改良が小規模ながら行われていた。一方、旧嶺岡牧では、い
くつかの変遷を経て、首都の需要に応じた酪農業が展開されていく。こうして
近世旧牧の大部分は軍馬の育成という役割を終えて解体していったのである。
一方で近代以降、特に日露戦争後に「全国ノ馬皆軍馬」とすべく、陸軍省が主
体となった第一次馬政計画が推進されていく。これをふまえて本報告では、先
行研究ではほとんどふれられることのなかった千葉県の軍馬育成の取組みにつ
いて、山武郡源村の産馬事業を事例として、旧牧の管理運営に携わった人々
の、近代における動向を明らかにしてみたいと考える。

*********************
《歴史教育》
「佐倉はなぜ炭の産地になったのか
 ―佐倉牧から見た江戸地廻り経済圏の授業実践―」
             深田 富佐夫 

 本報告は、高等学校における日本史Bの授業で、江戸地廻り経済圏について
の学習のために、佐倉牧での炭の生産を題材にして行った授業実践である。
 近世の流通についての学習では、五街道などの陸上交通と共に水上交通の重
要性を理解させたいと考えている。そこで、消費地である江戸へ出荷するため
のルートとして、江戸湾とともに印旛沼や利根川といった河川や湖沼が利用さ
れたことを学習し、さらに炭の原料の供給地を考えさせることを通じて、北総
地域の台地が幕府の牧であったことを理解させることを目的とした授業を行っ
た。

*********************
《記念講演》
東日本における古墳時代の馬生産
 ―生産システムとその多様性―
若狭 徹

講演者紹介
若狭 徹(わかさとおる)  

 専攻は、古墳時代。主に東国の古墳時代社会構造に関する研究。
著書には、『埴輪は語る』(ちくま新書、2021年)、『古墳時代東国の地域経
営』(吉川弘文館、2021年)、『古代の東国1前方後円墳と東国社会』(吉川
弘文館、2017年)『東国から読み解く古墳時代』(吉川弘文館歴史文化ライブ
ラリー、2015年)など。今回のテーマに関わる論文に「馬と渡来文化―古墳時
代東国の馬生産―」『馬と古代社会』(八木書店、2021年)ほかがある。

*********************
【別紙】
千葉歴史学会 第40回総会・大会
オンライン参加申し込み方法

今回で40回目を迎える千葉歴史学会の大会ですが、新型コロナウイルス感染拡
大防止のため、「Zoom」を使用しオンラインで開催する運びとなりました。
参加のお申し込みは、Googleフォームにて承ります。下記メールアドレスまで
お知らせ下さい。(定員は先着順で100名です。)

《メールでのお申し込みの方法》

   chibareki@gmail.com へ

①お名前、②Zoomが使用できるスマートフォンかパソコンのメールアドレ
ス、をお知らせ下さい。Googleフォームのお申し込み先(URL)をご案内いた
します。

1.参加費500円をお振り込み下さい。
  振込先  ゆうちょ銀行
       振替口座 00140-2-25468 (加入者名)千葉歴史学会

2.振込確認後、ZoomのID・パスコードと資料のダウンロード方法をご案内し
ます。

締切(振込までお済ませください)
5月10日(火)

済みませんが、振り込み料はご負担をお願いします。
新年度の会費を同時に振り込まれる場合はその旨を記して下さい。
よろしくお願い致します。
スポンサーサイト



近世史部会4月例会のご案内

4月例会は、豊四季開墾に関する、鈴木葵(まもる)さんの修論報告です。
ご関心がある方は、ぜひお申し込みください。
          記
千葉歴史学会近世史部会4月例会
日 時:4月17日(日)19:00~21:00 ※ 事前申込制
方 法:オンライン(Zoomミーティング)
〇報告者:鈴木葵さん(立正大修士修了、4月から県内中学校教員)
〇論 題:「明治前期下総牧開墾にみる窮民授産―開墾地豊四季における東京窮民を事例に―(仮)」
【参考文献】
・北原糸子「明治初期の窮民授産―都市窮民対策の展開―」(『都市と貧困の社会史』第Ⅲ部第3章、1995年)
・柏市教育委員会「東京窮民の牧開墾」(『柏市史 近代編』第1編第5章、柏市教育委員会、2002年)
・鎌ケ谷市教育委員会「初富の誕生」(『鎌ケ谷市史 下巻』第2章、鎌ケ谷市、2017年)

【参加方法】
参加希望者は、4月17日(日)17:00までに、
メールアドレス(chibareki_kinsei★yahoo.co.jp)に参加希望の旨を明記してメールしてください。
※ ★はアットマークです。

担当:近世史部会 小田

「房総の牧」第2回部会合同例会(近世史部会企画)のご案内

近世史部会では、3月例会を、「近世史」以外にご関心をお持ちの方々も参加しやすい「部会合同例会」として開催します。
今回は、
絵図等の視覚に訴える史料をいくつか取り上げ、それらについて近世史部会が、簡単な史料紹介をした後で、
・その史料から読み取れること
・他の史料と関連付けて読み取れること
・近代以降の展開との関係
など、自由に意見や情報を交換しようと考えています。
(※現時点で、古代史部会から、牧の環境・景観について「古代の牧」と比較してみたいという意見をいただいています。)
開催方式は、Zoomミーティングです。
当日参加が難しい方とも情報を交換できたら良いと考え、
資料配布や情報提供を希望するというお申し出も歓迎します。
以下のGoogleフォームから3/10までにご登録くださった皆様に、事前にURLと資料をお送りします。
ぜひ、ご参加ください。
https://docs.google.com/forms/d/1kzEa4ksOYGf8aVPuYviEMiRc7MjhJ81Bu03JVpwhrgw/edit
            記
千葉歴史学会近世史部会3月例会(部会合同例会、「房総の牧」共同研究の一環)
・テーマ:絵図から考える「房総の牧」―2022年度以降を見据えて―
・日時:3月13日(日)15:30~17:30 ※ 事前申込制
・方法:オンライン(Zoomミーティング)
・申込:Googleフォーム経由、3/10までに登録
問合せ先:近世史部会 小田(chibareki_kinseiあっとyahoo.co.jp)

『千葉史学』第78号のご案内

『千葉史学』78号(1冊2,000円)の内容は、以下の通りです。
ご購入希望の場合は、①おなまえ②おところ③購入冊数を明記して、
chibareki*yahoo.co.jp(*を@にかえてください)
までお知らせ下さい。

〔巻頭随想〕
 科学軽視の恐ろしさ―「コロナ禍」と「学術会議任命拒否問題」に寄せて―  栗田 禎子
〔歴史随想〕
 長尾藩士の娘加茂令子のこと   外山 信司
 知られざる戦前の集団体操―「大日本国民体操」と「日本体操」―  青木 祐一
〔論文〕
 古代国家の対外観念をめぐる基礎的考察  伊藤 循
 二代目県令船越衛による県庁寄稿の整備について  柏原 洋太
 千葉県における徴兵失踪・所在不明者―データベースは語る―  鳥塚 義和
〔研究ノート〕
 中先代の乱における足利尊氏の恩賞宛行権について
 ―『梅松論』の記載をめぐって―  阪田 雄一
〔史料紹介〕
 百年前の世界的感染症「スペイン風邪」史料の発見  久野 一郎
[小特集・気球連隊格納庫解体問題をめぐって]
 「軍都千葉」の形成  中村 政弘
 陸軍気球隊・気球連隊について  小暮 達夫
 第二格納庫の保存運動について  市原 徹
 旧陸軍気球連隊第二格納庫見学会(参加記)  笹川 知樹
 「要望書」(千葉市あて)
〔新刊紹介〕
 湯浅治久著『中世の富と権力 寄進する人びと』  外山 信司
 『市川市史 歴史編Ⅳ ―変貌する市川市域―』  高林 直樹
〔見学記〕
 松戸市立博物館企画展「松戸と徳川将軍の御鹿狩」  鈴木 葵
 千葉市立郷土博物館特別展
 「軍都千葉と千葉空襲―軍と歩んだまち・戦時下のひとびと―」  高木 晋一郎
 国立歴史民俗博物館企画展示「性差の日本史」  長谷川 亮一
〔参加記〕
 千葉市立郷土博物館主催
 二〇二〇年度「歴史散歩―房総往還をゆく(寒川地区)―」  菅原 憲二
〔例会報告〕

近世史部会2月例会のお知らせ

今回は、「房総の牧」共同研究の作業の中間報告会です。
共同研究では、現在、
近年の研究論文や史料集の刊行、展示やシンポジウム等の動向について、情報を持ち寄り、
今後の研究課題を考えようとしています。
2月例会では、そうした「房総の牧」に関する動向を整理したシートを見ながら、意見交換をする予定です。
それを踏まえて、当日は、委員による基調報告20分程度+自由討論1時間強という流れで進めます。
ご関心がある方は、ぜひ、ご参加ください。
                     
千葉歴史学会近世史部会2月例会(「房総の牧」共同研究の一環)
・論題:「房総の牧」をめぐる自治体・学会・博物館等の動向と今後の研究展望
・日時:2月13日(日)19:00~20:30 ※ 事前申込制
・方法:オンライン(Zoomミーティング)


【参加方法】
参加希望者は、2月11日(金)までに、
chibareki_kinsei★yahoo.co.jpに参加希望の旨を明記してメールしてください。

※★をアットマークに変えてください。

【担当】近世史部会 小田

 | ホーム |  »

 

プロフィール

千葉歴史学会

Author:千葉歴史学会
本会は主として千葉圏域で歴史学の研究、歴史教育の現場や文化財の保存活動等にかかわる人々を中心に、1982年に設立されました。以来30年、会誌『千葉史学』の刊行、研究書の刊行、様々な部会活動、大会やシンポジウムの開催を中心に歴史研究の発展、その成果の普及、遺跡保存や史料保存など文化財保護の活動に努めて参りました。日本歴史学協会加盟学会、日本学術会議協力学術研究団体です。

最新記事

カテゴリ

入会案内 (1)
会則 (1)
大会案内 (18)
投稿規定 (1)
刊行物 (26)
会誌『千葉史学』 (24)
売り切れの号数 (1)
千葉史学叢書(全4巻) (1)
リンク (1)
部会案内 (134)
考古部会 (0)
古代史部会 (0)
中世史部会 (36)
近世史部会 (48)
近現代史部会 (24)
歴史教育部会 (0)
民俗部会 (23)
外国史部会 (0)
未分類 (9)
活動報告 (3)

メールフォーム

名前:
メール:
件名:
本文:

検索フォーム